ひょんなことから仕事で名古屋に出向となり,家族の元を離れて3か月ほどたった冬のある日.
自宅周辺の街並みを把握すべく,休みの日には自転車で少し遠くまでウロウロしていたのですが,たまたまそこにVespaのお店を発見.
Vespa(ベスパ)って知ってますか?
少し年代の古い方は,「ローマの休日」という映画でオードリーヘップバーンを後部座席に乗せて,街を颯爽と走るあのバイク,といえばわかるでしょうか.あれです.
もう少し年代の新しい方は,「探偵物語」というドラマで松田優作が乗っていた特徴的なバイク,といえばわかるでしょうか.あれです.
正確に言えば,Vespaはバイクの名前で,作っているメーカーはPIAGGIOというイタリアの会社です.
Vespaの歴史についてはここで私が語る話でもないので,いろんなWebを参考にしてみてください.
そんなVespaを扱うお店(Vespa名古屋さん)をたまたま発見したわたくし.
たまらずチャリを止め,どかどかと店内に.すみません,買う気も無いのに…
そんな私をちゃんと出迎えていただいた店員さん.ほかにはお客さんもいなかったのでちょっと気まずかったですけど,店内に置いてあるVespaを色々と説明してくれました.
そうなんです.Vespaって,今でも最新の機種を生産して販売しています.でも私が好きなのは,いわゆるビンテージと言われる古いVespa.
初めてこのバイクを見たのは私が高校生くらいだったでしょうか.
その形にすっかり魅了され,免許もバイクも持っていないのに,その予定もまだ無いのに,本を買ったりして眺めてたりしてました.
そこで店員さんに,「実は私,正直言うととっても古い時代のVespaが好きなんです」と伝えると,
「そうなんですかっ?! わたしも持ってるんですよ.」と.そんなこんなで話がはずんじゃって,Vespaへの想いを語ってました.
するとその店員さんが… 「実は2台持ってるので,よかったら1台お譲りしますよ?」と切り出してくれたのです.
興味のある人は検索してみるとわかりますけど,古いVespaって,結構高い値がついて売買されているのです.
私が欲しいと思っていた50Sという50ccのタイプは,きれいにレストアされたもので25~30万円ほどします.(ピンキリですが)
それを元々知っていた私は,[お譲りしますと言われたって… でもお高いんでしょう?]などと考えていたため,
「あぁそうなんですか?それはうれしいですけどそんなにお金も無いし…実際どんなくらいのお値段イメージで,ですか?」と弱々しく聞いてみたのです.
すると「そうですね…まぁ,5万円とか…そんなくらいなら.」と.
「…!!!!! えっ?? それって安くないですか?大丈夫なんですか?」と思わず聞いてしまった私.
「えぇ… 元々自分でレストアしようと思っていたんですけど,時間も無いし2台あるし.それに,これも何かの縁ですし,本当にVespa好き,と分かる方にお譲りしたほうがこちらもうれしいですし.」と言っていただいたのです.
なんて偶然,そしてなんていい人なんでしょう.
そうです.5万円くらいだったら全然何とかなりますよね.
とはいえ,家族の元を離れて,嫁の許可も得ずにバイクなど買ってしまったら,うちのダンナが出向して不良になってしまったなどと言われかねないので,とりあえず落ち着いて,少し前向きに考えてから改めてお返事させてもらいます!と告げ,ついでに最新版のVespaカタログと,店員さんの連絡先をしっかりうかがってからその日はお店を後にしました.
これがもらってきたカタログですっ!
そして夜.Vespaに対する愛情を徒然なるままに嫁に説明し,半ばあきらめ気味の「まぁ別にいいんじゃない?」という言葉をうまく引き出し,次の日にはVespaの店員さんに連絡して,ありがたく譲り受けさせていただくことを伝えました.
実はその店員さん.Vespa名古屋さんの店員さん,というだけではなく,近くに別店舗があるハーレーダビッドソン名古屋にてメカニックをされている方だったのです.お店のオーナーが一緒ということで,Vespa名古屋さんをたまたま受け持っておられたということで,バイクのメカに関しては非常に詳しい方だったのです.
そのため,「ちょっと気になるところもあるので,簡単にメンテナンスしてからお渡ししますよ」と,あまりメカに詳しくないわたしには渡りに船の超ラッキー状態なことをおっしゃっていただき,完全にお言葉に甘えてしまいました.
これが,今回Vespaを手に入れることになったことの顛末です.
なんか,偶然って色々重なることもあるもんですね.本当にラッキーとしか言いようが無いことだと思います.
Vespaを思い続けて25年ほどたちますが(笑),いつか手に入れたい…と思い続けてよかったです.
さて…
手元に来るのはいつ頃かなー?(ワクワク)
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