エンジンをかけてみます

前オーナーさんが名義変更まで何かのついでにしていただいたおかげもあり,入手したVespaにはすでにナンバーがついてました.
その後すぐに自賠責保険と任意保険の契約をして,ついにVespaに乗る準備ができました.

いよいよ運転です.
事前にWebでしっかり調べた情報をもとに,手順を確認しながら

●燃料コックを開ける
走るためにエンジンをかけます.が,その前に燃料をエンジンに供給できるようにしなくてはいけません.
  
画像左から,燃料コック「開」,リザーバタンク,燃料コック「閉」となってます.
走るときはもちろんコック「開」.レバーを垂直方向にまっすぐ立てます.
燃料が無くなってガス欠で走らなくなった時,レバーをリザーバタンク側に倒します.上から見て「R」が見える方向ですね.こうすることでガソリンタンクのそばにある小さいリザーバタンクから燃料が出るようになって,ガソリンスタンドまで走れるような感じになります.
長い間乗らないことがわかってたりする場合は,燃料コックを「閉」にして燃料をカットしておきます.
今回はエンジンをかけるので,もちろん「開」の位置にレバーを動かします.

●チョークレバーを引く
古いエンジンには,このチョークという機能が付いているものがありました.
これはバイクに限ったことではなく,自動車にもあった機能ですね.わたしもあまり詳しくないですが,エンジン始動時などにエンジンをかかりやすくするために,エンジンに流入する空気量を調整して(絞って),結果燃料の濃い状態を作り出してエンジン始動をさせやすくする~という感じの機能だったと記憶しています.
Vespa50Sにはこのチョークが付いています.
 
左側がチョークレバーを押した状態:チョークを利かせていない通常時,右側がチョークレバーを引いた状態:エンジン始動時に使う状態 となります.
チョークレバーを引いて燃料が濃い状態でエンジンをかけますが,この状態でエンジンがなかなかかからない場合,エンジンプラグに燃料がかかりすぎて(いわゆる”かぶった”状態になって),余計にエンジンがかからなくなることがあります.
対処法は後で記しますが,チョークを引いた状態であまりしつこくエンジン始動をトライしないほうが良いようです.

●スタンドから降ろす
Vespaがスタンドを使って前輪が浮いている状態(駐車状態)になっているなら,スタンドを倒して地面に降ろしましょう.
Vespa50Sをのスタンドから降ろすには,2通りの方法があります.
1.Vespaにまたがって足を踏ん張り,ハンドルを手前に引っ張って前輪を持ち上げるようにすると,スタンドがバネの力で勝手に跳ね上がります.
2.ハンドルをもって,Vespaを前に押し出すように動かすと,同じくスタンドが跳ね上がります.ママチャリのスタンドと同じような状態ですね.駐車してあるVespaの前空間に余裕がある場合にはこの方法が楽ですね.こうしてVespaをスタンドから降ろしてあげます.

ちなみに,逆にスタンドを立てる場合はというと,
 
ちょっとわかりづらいですが左の画像がスタンドが寝ている状態,この状態からゴムブーツを踏みつけるようにして地面につけ,その状態のままハンドルを車体ごと手前に引っ張って持ち上げる感じにします.すると車体はスタンドを乗り越えて持ち上がり,前輪が浮いた状態に戻ります.結局こちらもママチャリのスタンドと同じ感覚ですね.

●シフトレバーがニュートラルに入っていることを確認する
Vespa50Sは左側のレバーでシフトチェンジします.
そうなんです.この50Sは「マニュアル車(MT)」なんですね.

なので,ピザ配達のお兄ちゃんのオートマ(AT)バイクように,レバーを回せば走ってくれて終わり,というわけにはいきません.速度に合わせて1~4速をうまく使って走ってあげる必要があります.MT車だろうがAT車だろうが,原付バイク免許で乗れますのでご安心ください.ちなみにお分かりかと思いますが,MTはManual Transimission, ATはAutomatic Transmissionの略ですね.
MTということは,クラッチが付いています.エンジンの回転動力をタイヤに伝えるまでの間に,その動力を一時的に切り離してあげるものがクラッチ.つまりクラッチを離せば,エンジンは回ってもタイヤは回りません(走れません).その代わり,クラッチが切れている間にシフトチェンジをしてあげ,ギア段が変わったらまたクラッチをつないであげる.そうすることで,先ほどとは違うギア段で走れるようになるわけです.
ではVespa50Sのクラッチはどこ?ということになりますが,これが左レバーについている自転車のブレーキレバーのようなレバーです.
このレバーを握ると,クラッチが離され,レバーを戻すとクラッチがつながります.
では長い信号待ちなどの時に,エンジンが切れないようにクラッチレバーをずっと握っておかなければならないのか?これはとても面倒ですね.それを解消するのがギアを「ニュートラル」状態にしてあげること.写真でいうと1と2の間に記載されている「●」の位置がニュートラルです.
動くレバーの右側についている●印の位置が,現在のギア段を示しています.つまり,ニュートラルにするにはこの●同士が合う位置にハンドルをひねってあげれば良いのです.その際,クラッチを離す(レバーを握りながら)ハンドルをひねってあげることを忘れずに.
エンジンを始動するときには必ずギアがニュートラルになっているかを確認しましょう.これをせずに例えばギアが入ったままエンジンをかけようとすると… エンジンを回すときに車体が前に動き出そうとします.
はい,危ないですね.ということなんです.なので,エンジン始動前にはチェックが必要です.
まぁ基本的には前回エンジンを切るときにはギアをニュートラルにして切っているはずなので,大体始動時にはニュートラルにはなっているとは思うのですが.念のためです.

●エンジンをかける
Vespa50Sのエンジンをかけるには,エンジンスタートボタンを押します… という訳にはいきません.
Vespa50Sはキックスタート方式ですので,本体右後方についているキックスタートレバーを踏み込んでエンジンをかけることになります.
 これですね.
キックスタートレバーを踏み込むときは,念のためハンドル右側のレバー(フロントブレーキ)を握って車体を固定し,左側のレバー(クラッチ)は握らない状態でキックします.
ちゃんとエンジンがかかる場合は1~3回ほどキックすればエンジンがかかると思います.

おぉ… ちゃんとかかりました!

エンジンがかかったからと言って,すぐにチョークを戻すと,大体エンジンが止まってしまいます.
昔のエンジンには(今も?)暖機が必要なんですねぇ.エンジンが止まらないように様子を見ながら,ゆっくりとチョークを戻していきます.

なお,チョークを戻してエンジンが止まりそうになったら,右側のハンドル,アクセルスロットルレバーを少しひねってエンジンをふかしてあげることでアイドリング状態を保ってあげます. 最近は少なくなりましたが,夜な夜な街で爆音を鳴らしながらバイクで暴走している方たちのように,アクセルをぶぃーんぶぃーんと回してあげることで,早くエンジンを暖機する方法もありますが,近所迷惑にならない程度にしましょう.

アクセルをふかさなくともアイドリングが安定するようになったら,暖機完了ですね.
これでいよいよ走る準備ができた状態です!

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